目標を達成するためには、そこから逆算して、たくさんのステップを踏まなければならない。
例えば、僕の「猟犬と猟銃で狩りをする」という夢。
一軒家を買う。
狩猟用の軽トラを買う。
猟犬を飼う。
猟銃を買う。
狩猟免許を取得する。
そして、狩猟に行く。
こうやってステップに分けてみると、意外と簡単そうに見える。
でも、実際には一つひとつのステップに、さらに細かい小さなステップがある。
まず、一軒家を買うだけでも大きなハードルだ。
ローンを組むなら安定した収入が必要になる。
物件も、どこでもいいわけではない。
猟場に近く、犬が走り回れる庭があり、獲物を解体できるスペースも必要になる。
ローンの審査、引っ越し、リフォーム。
一つひとつ条件をクリアして、ようやく「一軒家を買う」という一つのステップが完了する。
もちろん、すべてのステップでお金も必要になる。
それでも、猟師になることは僕の夢だった。
だから、諦めることができなかった。
この夢のきっかけは、小学校中学年の頃まで遡る。
当時、僕はアメリカの公立小学校に通っていた。
ある日の読み聞かせの授業で、担任の先生が「Sounder」という本を読んでくれた。
主人公は、貧しい黒人の少年。
猟犬と一緒に狩猟に行くことを夢見ている少年だった。
物語の細かい内容は、もうほとんど覚えていない。
でも、僕の記憶に残ったものがある。
犬。
そして、猟銃。
「僕もいつか、犬と一緒に猟銃を持って狩猟をしたい」
子どもの僕にとって、それは強烈な憧れだった。
狩りに行き、犬と一緒に山を歩き、獲物を仕留める。
男のロマンじゃないか。
それから長い年月が過ぎた。
海外から帰国し、20代半ばになった頃、僕は実際に動き始めた。
高知県で猟銃の初心者講習を受け、合格した。
「これで夢に一歩近づいた」
そう思った。
しかし、その後、沖縄へ移住することになった。
生活が大きく変わり、いろいろなことが重なっているうちに、講習の有効期限が切れた。
また、白紙に戻った。
夢というのは、いつも順調に進むわけではない。
一歩進んだと思ったら、二歩戻されることもある。
それでも、完全に諦めることはなかった。
34歳で、今度は狩猟免許を取得した。
その後、一軒家を購入した。
狩猟用として軽トラも購入した。
そして、猟犬として四国犬を飼い始めた。
最初はオスの「しゅうと」。
翌年には、メスの「エマ」が仲間になった。
一つずつ。
本当に一つずつ。
夢を構成していたパーツが、少しずつ揃っていった。
そして今年、37歳。
初心者講習を取り直し、先日、射撃教習にも合格した。
すでに購入する予定の銃も2丁決まっている。
長い道のりだった。
夢を抱いて28年。
具体的に動き始めてから12年。
そして、今年の冬。
ようやく念願だった狩猟に行けるところまで来た。
28年かかった。
途中で諦めたこともあった。
何度も止まったし、思うように進まないこともあった。
でも、夢を「夢のまま終わらせたくない」という気持ちが強かった。
そして今、振り返ってみると、僕の夢は一気に叶ったわけではない。
でも、小さな一歩を積み重ねてきた結果、28年前には想像するだけだった場所に、今、僕は立っている。
だから、もし今、何か叶えたい夢があるなら。
いきなり全部を叶えようとしなくていい。
大きな目標を見て、「自分には無理だ」と思わなくていい。
まずは、今日できる小さな一歩を探してみてほしい。
目的分野の本を一冊読む。
それだけでもいい。
小さくても、夢に向かって進んでいる限り、それは目標へと近づく「一歩」だ。
今日、夢に向かって一歩踏み出してほしい。
その一歩が、10年後、20年後の自分を変えるかもしれない。
僕も、まだ夢の途中だ。
今年の冬、しゅうとエマを連れて、山へ行く。
28年間、頭の中にあった景色を、現実にするために。
また一歩、踏み出す。

