「もう会社辞めたい」
牧師であり、格闘技ジムを経営している僕は、人生相談を受けることがある。
少し前のことだが、社会人1年目の男性会員さんから、「もう会社を辞めたい」と相談を受けた。
直属の上司と気が合わず、ストレスが限界まで溜まっているようだった。
少し厳しく聞こえるかもしれないが、僕は彼に、
「石の上にも三年というだろう。もう少し踏ん張ってみたらどうだ」
と諭した。
では、なぜ「三年」なのだろうか。
石の上にも三年
古くから残る言葉には、世代を超えて受け継がれてきた知恵が、短い言葉に凝縮されている。
環境のせいにして途中で投げ出してしまう人は、環境を変えても、また同じような問題に直面することがある。
それは、問題の原因が外的要因だけではなく、自分自身の内側にもあるからだ。
言い換えれば、環境のせいではなく、自分の心の問題でもある。
どこへ行っても、気の合わない上司はいるものだし、楽な仕事ばかりというわけにもいかない。
大切なのは、気の合わない上司に対して、自分がどう向き合うかだ。
「環境が悪い」のではなく、「その環境に自分がどう反応しているのか」という視点に立った瞬間、問題へのアプローチは変わる。
単に職場を変えればいい、というわけではない。
実は、「もう辞めたい」と思うということは、自分の心の問題や、自分の弱さを発見し、それに直面している証拠なのかもしれない。
そう考えれば、この状況から逃げずに、自分の弱さと向き合うことは、成長するチャンスでもある。
No Pain, No Gain
「痛みなくして成長なし」。
筋トレと同じで、筋肉に適切な負荷をかけなければ、筋肉は成長しない。
人には、それぞれ「ブレイキングポイント」があると思う。
肉体的なブレイキングポイントの例を挙げれば、靭帯断裂など、身体が耐えられる以上の力が関節にかかったときだ。骨折もそうだろう。
精神的にも、「これ以上は無理だ」というポイント、いわばスレッシュホルド(限界値)が存在すると思う。
もちろん、その限界値を超えてしまえば、心身に深刻なダメージを与えることになる。
しかし、自分の限界を少しずつ広げていく。
つまり、「強くなる」ためには、日々の鍛錬が必要なのだ。
さらに厄介なのが、自分で限界を決めてしまい、実際よりも低く設定し、それを信じ込んでしまうことがある。
そのためには、自分で認識している限界を突破するという体験も必要になる。
いわゆる「ブレイクスルー体験」だ。
逃げてばかりでは、自分が成長する機会を逃してしまうこともある。
道を極めなさい
世の中には、さまざまな「道」が存在する。
僕は「格闘技道」という道を30歳から歩み始めた。
そして37歳になった現在も、ジムで選手たちを指導しながら、自分自身もプロの舞台に上がっている。
苦しいことは、たくさんあった。
それでも、格闘技を辞めずにここまで続けてこられたことを、僕は心から感謝している。
飽きっぽい性格で、一つのことを最後までやり遂げることが苦手だった僕にとって、格闘技は、格闘技術以上に多くの人生のレッスンを教えてくれた。
だからこそ、あなたにも、プライドを持てる道を選び、どんなことがあっても簡単には諦めず、突き進んでほしい。
もちろん、本当に心身が限界に達しているなら、逃げることや環境を変えることも必要だ。
大切なのは、ただ苦しみに耐えることではない。
困難に直面したとき、自分自身と向き合い、成長するための一歩を踏み出すことだ。
信じて諦めなければ、必ず解決への道は見つかる。
諦めるな。

